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回答の概要
本質問に対して回答した国では、プリントアウトの作成時期について何ら明示的規定はなく、またこれらの回答は証拠法則(rules of evidence)の解釈に基づいている。2力国の回答では、プリントアウトは、当該記録が最初に作られた時に作成されたものでなければならない[フィリピン(輸入貨物申告の場合)、ザンビア]。その他の回答では、法廷は、当該記録が作られた後に作成されたものであるとか、訴訟手続のために作成したものであるという理由だけで、コンピュータからのプリントアウトの受理を拒否するようなことをしない[オーストラリア、カナダ、コロンビア、チェコスロバキア、デンマーク、ドイツ、ホンジュラス、日本、メキシコ、ノルウェー、スウェーデン、トンガ、英国、米国]。後者の回答では、コンピュータからのプリントアウトの作成時期が証拠価値の評価に影響を与えるので、法廷は、それ以前のプリントアウトが存在するときは、その提出を要求することがあり、また、提出したプリントアウトがコンピュータのオリジナルの記録と一致すること、換言すれば、コンピュータで読取り可能な記録が、これが最初に作られた後で、変更されていない(notaltered)ことを当事者に立証させる(establish)ことがあると述べている。
質問4.
「コンピュータで読取り可能な形式で記憶されている記録の証拠能力の前提として、どのような条件が充足されなければならないのですか?また、貴国においてずべての関連データが証拠能力を有する場合、コンピュータで読取り可能な形式で記憶されている記録が書面で提出されたデータと同等の証拠価値を有するものとして法廷により確実に取扱われるためには、とのような条件が充足されなければならないのですか?」
回答の概要
すべての関連データが証拠能力を有すると回答した国の法体系は、コンピュータ記録を書面の形式で提出された同様のデータと同等の証拠価値を有するとみなすか否かの基準を規定していない。それぞれのケースのすべての状況を考慮して、コンピュータ記録の証拠価値を評価することは、法廷に委ねられている[オーストリア、コロンビア、チェコスロバキア、デンマーク、フィンランド、ドイツ、日本、メキシコ、ノルウェー、スウェーデン、ユーゴスラビア]。コンピュータ記録が[証拠能力を有する他の証拠との関係で]例外として証拠能力を有する場合に、これと同様のことが適用される[ルクセンブルグ、セネガル、ヴェネズエラ]。
伝聞証拠排除の原則(“hearsay evidence”rule)のような規則がコンピュータ記録の証拠能力を制限している法体系では、コンピュータ記録の証拠能力について条件を規定している。このような法的要件は、次の問題点に関連している。(a)コンピュータ機器が適確に機能しているという期待、(b)コンピュータに入力した時期および入力する方法の信頼性、(c)コンピュータ記録が作成された情報源(sources of information)[オーストラリア(」部の管轄地域)、フィリピン、英国、米国]。若干のコモンローの法体系では、コンピュータに記憶されているビジネスの記録は、通常、証拠能力を有し、前記の要件は、

 

 

 

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